エルマッドS工法は、軟弱地盤にセメント系固化材を用いて流動化処理することで、ブロック状の均質な地盤改良体を築造する工法です。本工法の特徴は、バック法の油圧を動力源とした撹拌混合装置(バケットミキサー等)により、効率よく現地土を撹拌混合できる点にあり、土の裁断及び流動化処理の工程を経て、均質な改良体の構造を可能にしています。さらに、汎用型バックホウをベースマシンとしているため、切り梁下や高さに制限がある場所などの悪条件での施工にも十分対応できます。本工法の施工管理の特徴は、電気比抵抗センサーによる改良体の混合度、改良軌跡のモニタリングによる改良体の出来形がリアルタイムに確認できるところにあり、施工中に改良体の均質性を評価しています。
■施工方法
- 支持地盤まで掘削・排土することで、指示地盤の状況が目視確認でき、確実に支持層に定着できます。また、地中障害物や改良対象土として不適当な土の撤去が可能です。
■撹拌混合装置
- 土質により適切な撹拌用のアタッチメントを使用して混練することで、固化材液を土中に均等に分布できるので、均質な強度発現が得られます。
■施工管理装置
- 施工中の改良体の混合度や改良軌跡を表示することができるため、管理者として不明瞭であった混合攪拌状態をリアルタイムに観察することができます。
■品質管理
- 施工直後に頭部サンプラーまたは深部サンプラーのどちらかを用いて試料採取ができるため、均質性を一軸圧縮強度で評価できます。
また、採取が容易なので経済的で、施工後の抜き取りが無いため、後工程の作業にも影響が出ません。
深層混合処理工法と同様に、頭部コア・全長コアでの管理も可能です。
■管理装置モニタリング状況
バケット部に取り付けられた電気比抵抗値測定センサー、深度計、回転計から送られる電気信号を改良機内のモニターで確認し、改良体の出来形、および混合度合いを把握できます。

■施工順序
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①支持層まで掘削
します。 -
②目視又は採取にて支持層を確認します。
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③スラリーを注入
します。※固化材は、フレキシブルコンテナ方式とスラリープラント方式を現場状況に合わせ、選択します。
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④バケットミキサーで撹拌します。
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⑤高さを調整し
造成完了となります。 -
⑥改良天端レベルの確認をします。